浮雲/林芙美子


小説の浮雲、今読み終えました・・・
今はまだ余韻が頭の中をグルグルしてます・・・


てか凄いですね、一気に読んじゃいました。
活字は苦手なんですが・・・


映画版を先に見たんですが、映画版は今で言えば「ダイジェスト版」です。
小説で執拗に描かれていた、内面の気分というものは、
やはり映画の演技だけでは表現は難しいですよね・・・


でもこれ、かなり鬱になりました・・・
去年やった「君望」の比じゃねえよ・・・
ギャルゲーで「浮雲」とか出したら、君望くらい練って作れば、
ギャルゲーの金字塔になるんじゃないか?その前に暴動が起きるか・・・


何か、この小説には、男と女の全てが表現されてるような気がしました。
無責任鬼畜男、夢見がちな小悪魔女、潔癖症が原因で恋に狂っちゃう男・・・
今までドラマやらなんやらで見て来たものの原型が全て詰まってる
ような気がしました。


しかもそのどれもが、これでもかと言う程生々しく、
鋭く深くえぐるような感じで描写されているので、
この小説は凡百の小説にはない(凄み)があるように思えます(小説全然知らないんですが・・・)


ああ、でもやっぱりそうなのね・・・という気持ちでしたね、常に。
「こんなとき男は、女はどうするのか」という部分で
思い当たるフシがありまくりました。やはり男と女は
こうでしかないんだというやるせない気持ちで一杯です。


ダラットでの、まるでtrfのBOY MEETS GIRLのような夢のような世界

終戦後、日本に引き上げて来た後の生活はまるで、
globeのFACES PLACESかDON'T LOOK BACKか・・・


♪裸足のままであなたの部屋から駆け出していった
男と女はいったい どうしてこんなに遠い(DON'T LOOK BACK/globe)


でもね、こうした惚れた腫れたを、終戦の混乱の、皆が生きるか死ぬかというときに、
それでも現在となんら変わる事なくやってるというのは
ある意味救いにもなります。
実際、一人の鬼畜男性と夢見がちな女性の周りで、
男も女も翻弄され、恋に狂ってバッタバッタと死んでいくんです。


大変なときでも、みんなちゃんとケンカしてたんだなあ、
今だって、こういう痴話喧嘩しながらなら、やっていくことも出来るんじゃないかと
思うんですけどね・・・