(中学1年春)女性に僕を変えてもらいたかった

幼少期−小学校時代は、本当にあまりいい思い出がありません。
3歳の頃にめちゃくちゃ怖い夢を見たとか、団地の公園で
いじめられた思い出とか残ってますが・・・。

昔っから、幼稚園でも外で遊ばず、らくがき帳に絵ばっかり描いてた
思い出があります。後はジャングルジムとか滑り台とか、
色々くっついた馬鹿でかい遊具の、ある一区画を自分だけの
基地にしたがるとか。おもちゃを独り占めにするとか・・・。

小学生のときも、とにかく学校でも人気とか全然ない、凄く変な奴なのに、
やたらいちびりたがる厄介な奴だったと思います。
もしあなたのいるクラスなり職場に、ものすごい電波オタクなのに、自分のその電波な
感性を押し付けたがる人がいたらとても厄介でしょう?

僕はそんな人間でした。でも、自分を変えようという概念は全く無かった。
「俺を苦しめるこんな世界は間違ってる」と思っていました。
なんせ僕は天才だと思ってましたから。世界で一番好きな人間は僕でした。

でも、中学になると状況は変わってきます。
クラスの女子に、恋心を抱くようになってきます。その女子は、
まあクラスでも明るくて、積極的なんですけど、スポーツマンタイプの
男子とやっぱり仲がいいんです。男子サッカー部と女子バレー部とか。

そうなってくると、まずその女子とお近づきになりたいと思います。
男子と女子がしゃべってる間に割り込んで、あくまでもいままでの自分のやりかたで
「それよりも俺の面白い話を聞け!」というのは、何か違うなってわかるんです。
急に、自分がみすぼらしく、自分の性格も価値の無いものだなあと感じ出しました。

そのときの僕の人生にとって、重大な目標は「素敵なあの女子と話したい、笑わせたい」
なので、その目標に対する手段は
「自分の性格を変える、あの子好みの俺になる」
というようなものです。

それまで、ただひたすら世の中を憎み、だがどうすればよいかわからなかった僕にとって、
この「自分を変え、新しい世界と出会う」という可能性に気づいたことは、
今まで灰色だと思っていた世界が光に溢れているような、そんな気分にさせてくれるものでした。
今までいくら考えても解けなかった悩みが、一瞬にして霧散するんじゃないかと思い、
僕は、男子と女子の、小学校とは違う関係に希望を抱いたんです。
当時は、まさか自分がこんな非モテな人間になるとは思いもよりませんでした。