神戸高速鉄道 新開地・高速神戸駅


神戸高速鉄道株式会社は、神戸市内にターミナルを持つ阪急電鉄
阪神電気鉄道山陽電気鉄道神戸電鉄の路線を接続するための
線路と駅のみを所有する第三セクターの鉄道会社である。(wikipediaより引用)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E9%AB%98%E9%80%9F%E9%89%84%E9%81%93


かつて、神戸市を走る鉄道は、東側は阪急が三宮、阪神が元町、西は山陽電鉄が兵庫、北は神戸電鉄湊川と、
それぞれが独自のターミナルを構え、市内の交通はそこで分断されていました。


これらの鉄道を、地下トンネルを経由してつなげてやろうという計画により、
1958年に設立されたのが、神戸高速鉄道です。神戸高速鉄道は1968年に、
神戸電鉄湊川-新開地を結ぶ南北線と、山陽電鉄の西代と阪急の三宮、
阪神の元町を結ぶ東西線が開通し、神戸市内の私鉄は神戸高速鉄道によって
一つに結ばれたのです。


この中で、神戸電鉄は、車体のサイズやレールの幅の関係で、他の私鉄とは
乗り入れることが出来ませんでしたが、山陽電鉄阪神、阪急は、車体の
サイズやレールの幅も同じだったため、神戸高速鉄道東西線を介してお互いに
乗り入れるようになりました。


かつては、阪急と阪神の特急が交互に山陽電鉄須磨浦公園まで乗り入れ、
逆方向には山陽電鉄特急が、阪急六甲と阪神大石まで乗り入れるという
乗り入れ形態が長く続いていましたが、阪神大震災と、その後のJRの矢継ぎ早の
攻勢がきっかけで、1998年、阪神梅田-山陽姫路間に直通特急が運行されるように
なりました。また、同時に阪急車両の須磨浦公園までの乗り入れも無くなり、
阪急は神戸高速鉄道の新開地駅まで乗り入れる運行形態となりました。


2006年、阪急と阪神の統合後、初めてとなるダイヤ改正で、
今まで新開地止まりだった山陽電鉄普通が阪急三宮まで
乗り入れることとなり、阪神、阪急、山陽でも運行形態が大きく
変わることとなりました。


神戸高速鉄道には、新開地、高速神戸という、二つのターミナルが
存在します。阪急の特急は新開地で折り返し、阪神の普通は高速神戸
折り返しています。また、高速神戸阪神本線阪急神戸線の分岐点でもあります。
これらの駅では、山陽、阪急、阪神の特急列車や普通列車など、各社の個性あふれる
多彩な車両がひっきりなしに発着を繰り返し、鉄道ファンでなくとも、ホームでその
様子を見るだけでも非常に楽しい駅です。
関東の鉄道ファンの方には、都営浅草線泉岳寺のような駅を
思い浮かべていただければいいかと思います。


新開地駅

駅名表。時代を感じさせます。


新開地駅構内。2面3線のホーム。左が下り線で右が上り線。真ん中は阪急特急の折り返しに
主に使用されています。全体的に時代を感じる、レトロな作りとなっています。


三宮、大阪方面発車時刻表。各社の車両が乗り入れているので、非常に複雑なダイヤと
なっています。



当駅折り返しの阪急梅田行き7000系特急。ATS改良により、今回のダイヤ改正
阪急神戸線内の特急の最高速度が110km/hから115km/hに引き上げられたことにより、
日中特急運用に充当される車両は7000系、8000系、9000系のみとなりました。


阪急梅田行き8000系特急。この日は9000系が出場していませんでした・・・。



押し出しの強い、8000系の「額縁フェイス」、斬新さと懐かしさが同居した、シャープな
印象を受ける良いデザインだと感じます。


阪急の車両デザインで共通しているのは、伝統のマルーン塗装(えび茶色)、
ドア間3つの一段下降窓、木目の化粧板、オリーブ色のアンゴラ山羊の毛皮の
シート、見切りのいいスッキリとした車内・・・などです。


このデザイン、基本的には2000系が登場した頃から変わっていません。
基本デザインが非常に完成されたものであったので、いまだ伝統は守られています
(最新鋭の9000系で、ドア間の窓は一体化された連窓となった)


阪急の車両が同じようなデザインを続けることのメリットの一つに、
旧型車のデザインが陳腐化しない、というのがあるそうです。
実際、鉄道ファンで無い人が、3000系と7000系を見分けられるかと言えば、
難しいかもしれません。新型も旧型も同じように見えるというのが、
伝統を守るデザインのメリットかもしれません。


新開地に到着した阪神梅田行き直通特急、使用される車両は阪神8000系
山陽姫路-阪神梅田直通特急には、阪神から8000系、9000系、9300系、
山陽から5000系と5030系が運用に就いています。


こちらも阪神8000系ですが、リニューアル(更新)車です。
中間2両が転換クロスシート車に改造されています。
オレンジ色が阪神の急行車の新しいカラーのようです。


シルバージェット以来のステンレス製急行系車両、9000系
阪神大震災で多くの車両が廃車となり、不足した分を
急遽製造しなくてはならず、鋼製車よりステンレス車
ほうが工期が短かったので、9000系はステンレス製と
なりました。


阪神デザインの特徴として、急行系の車両は暖色系、
普通系の車両は寒色系の色で分けられていることです。
また、鋼製車を長年製造してきたことも特徴で、
塗装は上下ツートンカラーとなっています。


伝統を守り重厚なイメージの阪急とは対照的に、8000系の頃から積極的に
デザイン変更を実施し、非常にバラエティに富んだ多彩な車両を保有しています。


高速神戸駅での普通系車両、5001形。阪神デザインに伝統があるとするならば、
腰のところにある四角いライトです。8000系では伝統は途切れましたが、
5500系、9000系、9300系に再びその意匠は受け継がれています。


最新鋭ジェットカー5500系。


阪神梅田行き直通特急。使用される車両は山陽5000系(左側)。


こちらは最新鋭5030系。見た目はほとんど変わりませんが、VVVF制御になり、
かつての印象を払拭するような近代的な車両となっています。


山陽電鉄は1962年に、日本発のオールアルミニウム合金製車両を製造してから、アルミ素材の
技術革新には熱心でした。そのようなことから、最新鋭の車両に至るまで、アルミ製車両は、
無塗装に朱色の帯というのが山陽スタイルとなっています。


山陽電鉄が使用している特急用車両の特徴は、その内装にあります。
通勤用を主体とした車両ですが、転換クロスシートを装備していることです。
対抗するJRが新快速に投入した221系電車の影響も受けているのでしょうが、
最新の5030系では1+2のクロスシートを投入したり、窓割りを変更するなど、
5000系列は年月をかけて非常に完成度の高い車両となっています。


阪急、阪神の車両とも違う、シャープさを感じさせるサイドビュー。


山陽3000系アルミカー。当時革新的だった技術を投入して製造された車両です。
1965年ローレル賞受賞。現在は最古参の車両です。


車体のあちこちに歴史を感じます。


3000系鋼製車
当時神戸高速鉄道乗り入れのために製造されました。大量に製造するため、
コストのかかるアルミ製ではなく、鋼製に戻っています。


3050系
アルミカーですが塗装されています。

こちらは無塗装車体。

高速神戸
新開地の東側に位置するターミナルです。阪急と阪神の分岐点になっています。
通常、地下駅は建設コストが膨大になるため、設備は最低限の
ものにするのですが、高速神戸駅はかなり広大なものになっています。
2面4線で、ホームに柱も無く、新開地よりもスッキリとした印象です。

右より阪急三宮行普通、阪神梅田行普通、山陽姫路直通特急


発車時刻表。阪神方面、阪急方面と分かれています。

同時発車する阪急特急と直通特急。行き先はどちらも梅田。

右より阪急梅田行特急、阪神梅田行特急、山陽須磨浦公園行特急

新旧の塗装の8000系が顔を合わせる。