浮雲/成瀬巳喜男、林芙美子


ジョージ朝倉さんの(溺れるナイフ)の舞台は浮雲町です。
(平凡ポンチ)にも成瀬巳喜男さんの名前が出てきたし、
これはジョージ朝倉さんが、
「私は成瀬巳喜男に影響を受けたのよ〜ッ!」
というアピールなのか・・・?ということで
DVDと小説を購入しました・・・

初めに映画を見ましたが、やっぱり日本映画は見慣れてないと、
さすがにアニメで育った人間には辛いですね・・・


でも、こういう物語は好きですね。戦時中に、今で言うベトナム
夢のような恋をした二人が、
終戦後日本に戻り、現実のしがらみの中で、かつての輝きを夢見ながら、
ドロドロの恋をするというものです・・・


小説や映画が作られた時代背景を知らないと、
というか実感できないと、本当に心底楽しむことは出来ないんでしょうが、
でも、ゆき子役の人が物語が進むにつれどんどん綺麗になっていったり、
外を歩く二人の後ろ姿とか、印象に残るシーンは
よかったです。
他のシーンも奇をてらったことはしなくとも、
丁寧に撮られていて、こういうのが「上手い」って言うんだろうなあ・・・という感じです。


バカなんで、「出た〜ッ!実相寺アングル!!」みたいな、
ハデなのしか今はわからないんですが、成瀬さんとかも調べたら面白いのかも知れないですね・・・
余談ですが、この物語の原作者、林芙美子さんは、この小説を書いた2年後、
過労により無くなったそうです。


やっぱり、ジョージさん、今回はそういうのを意識してるように
思えてならないのです・・・