溺れるナイフ(5)/ジョージ朝倉


まだ買ってない人はネタバレ含むかもしれないのでご注意ください・・・


溺れるナイフ5巻読みました!ぬおおお!やっぱりテンションは全然衰えず、
物語はさらにカオス度を増してきました!


でもこれ、別フレ読者がついてこれるんですかね・・・?
これって、少女マンガの威信をかけた作品みたいな(笑)
感じがあるんですが、別フレ読者はこういう、微妙な
心の機敏を描くまんがについてこれてるんでしょうか・・・?


本当にこれに共感できるかどうかは、読者が学校でどういう
ポジションにいたか、どういう恋愛をしてきたかに結構
左右されそうですね・・・。


でも、僕個人としては物凄い共感します。3巻までは夏芽に共感していたけど、
5巻ではカナちゃんにも激しく共感してしまいました。


夏祭りでのレイプ未遂事件があってから、夏芽の、
コウちゃんの見え方が変わってしまったのもよくわかるし、
夏芽にああいう事件があってから、一気にクラスで浮いちゃうっつーか、
気を使うのが面倒くさがられて距離を置かれるのもよくわかる!
そして、当の夏芽は別に浮いてようがかまわない、気にしない、
ただ、自分の内面の空虚さだけが残って、抜け殻になっちゃうというのも
凄くわかります!さらにそんな状態のとき、無性に風景の写真を撮りたくなると
いうのも・・・!全部が全部わかり過ぎるっ!


時間は過去にさかのぼり、クラスでもどんくさくて不細工で、夏芽とは
逆の意味で浮き気味の女子、カナちゃん視点で、1巻から早足で
進んでいきます。


クラスでもスクールカーストの最底辺にいるカナちゃんと、最上位にいる
夏芽が、(なんとなく浮いている)という点でメンタリティ的に
非常によく似ているというのは凄くわかります。


夏芽が転校してきたとき、初めて夏芽に出会ったカナちゃんが思ったこと・・・。


「キレイな人は心もキレイなんねー!?」


そうっ!そうなんです!マジそうです!きれいな人は
マジ純真で、まっすぐで、なんというか、気高いんですよね!

クラスのグループの中心の女子たちが、夏芽のことを
「生意気」「ウザい」「調子乗っとる」と
批判的なのとは対照的に、
グループでも自分が馬鹿にされてることを知っているカナちゃんは、
夏芽の純真さに素直に感動してしまうのです。


そして、クラスの女子のほとんどが、ひそかに想いを寄せている、
クラスの中心的男子、コウちゃんと夏芽が付き合うようになった(と勘違いしてる)
ときも、ほかの女子が夏芽に批判的なのと対照的に、
カナちゃんは、嫉妬を寄せるのではなく、むしろ
夏芽にコウちゃんをしとめてもらったことで安心し、
他の女子に「ざまあみろ!」と、少しうれしくなるのです・・・。


ここら辺の心情の描写は本当に凄いとしか言いようが無い!
こんなことを何で思いつき、描けるんだろうこの人は!と思います!