げんしけん/木尾士目


友人から「げんしけん斑目がヤバイ」と聞いたので読みました。
途中で、斑目回とでもいえるような、春日部咲ちゃんと斑目晴信の
話が数回あったのですが、本当に心をえぐられるようでした。
全てのページ、コマ、ネームに至るまで思い当たるフシありまくり、
身につまされまくりでした・・・。
32話の、一緒に寿司を食う話は、マジで涙が止まりませんでした・・・。
http://d.hatena.ne.jp/bestofmylife/20061116/1163681194
http://d.hatena.ne.jp/bestofmylife/20061216/1166263400
http://d.hatena.ne.jp/bestofmylife/20061029/1162086329
↑僕の日記なんですが、ここらへんのことを、たった2ページ少しでほぼ完璧に、
表現されてしまった。


これは、32話(フタリノセカイ)が、げんしけんの実質的な最終話ですね・・・。


目の前の、強烈な太陽の光に目がくらみ、でもそこに神性を見出すからこそ、
自分はフラれても仕方がない、この人にゃあかなわないと諦められるんです。


だから、僕たちは、諦めるために、オタクとか非モテとか、
わざわざその人と自分の間に壁を作りたがってしまう側面があると思うんです。


斑目もそうだったんですが、寿司を食っているときに、咲ちゃんが
ゲームというオタク趣味をやっていると聞いて、図らずも、自分と咲ちゃんを
隔てていた、観念の壁がガラガラと音を立てて崩れてしまったのです。


咲ちゃんは別に神様じゃない、雲の向こうの人じゃない、現に自分の横に座っている、
自分となんら変わりない女の子なのだという認識に至ったのです。


しかも、咲ちゃんは斑目に対して、なんら偏見を持っていない。
オタクではなく、一人の人間として接してくれているということに気づいたのです。
これはオタク的に、とても喜ばしいことだと、普通の人は思うと思いますが、
斑目は、ここでショックを受けてしまうのです。


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「あー、でもやっぱ春日部さんにはそうゆうのやってほしくなかったかも・・・
いや、高坂とつき合うのは全然OKなんだけど何つーか・・・
茨の道を歩いてほしかった


いやもう本当いっそのこと、別の星の人でいてほしかった。



だからこそ、あきらめつくんだし、許せる。
これじゃ茨の道は俺の方だ・・・。」


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それは、今まで自分と咲ちゃんが別の世界に住んでいる人だという理由で、
押さえ込み、諦めようとしている恋心を押さえ込むものが無くなってしまったからです。
あの瞬間、斑目と咲ちゃんは「男と女」になってしまったのです。


自分と咲ちゃんを隔てるものはもはや何もないんだと気づいてしまった以上、
斑目は、そのちっぽけで、素っ裸で、丸腰な「男」で、「女」である咲ちゃんに
勝ち目の無い戦いを挑まざるを得なくなってしまったのです。


そして、帰りの電車の中、さっそく、斑目は、そのちっぽけな、精一杯の「男」を
咲ちゃんに見せるのですが、それがあえなく拒絶されてしまう。
1ラウンド5秒でKOされてしまったのです・・・。
(多分咲ちゃんは無意識のうちに斑目の気持ちをわかったんでしょうね。)


僕個人の経験ですが、これが一番きつい。とても容認できるものじゃない。
だって相手を憎めないんだもの!
間違いなくこれが今語るべき問題(個人的な問題(笑))だと思います。
でも、良かった。斑目と咲ちゃんがくっつかなくて良かった。
この本の作者も、「どうにかしてくっつけたかったけど諦めた」といってます。
やっぱり、そうなんだと、心は空っぽになりますが、でも
それだけ、作者と、斑目を好きな人はわかってくれたということでしょう。


でもちょっとだけお願い、この作者は斑目のその後を書くべきだと思います。
「最強伝説斑目」をやってください。斑目を助けてやってください・・・。


http://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/kansou/genshiken09.html
http://d.hatena.ne.jp/sky-crown/20070105#1168005631
http://fiancetank.net/note/archives/2005/06/23/1437.html
http://ore.to/~babylon/blog/archives/2005/06/