涼宮遙27歳(君が望む永遠(水月エンド))


やまない雨・・・
真っ暗な部屋、私はリビングのソファーの上に体育すわりし、毛布を巻いてテレビ
を見ていた。
私はボロボロと涙を流していた・・・



「お姉ちゃんっ!」
ふいに部屋が明るくなった。



茜「今何時だと思ってるの?いい加減ドラマ録画して何回も見るのやめなよ・・!」


遙「別にいいじゃない・・・ここはリビングなんだし、茜には何も迷惑
  かけてないでしょ?」


茜「なんかキモいよ?お姉ちゃんの好きなドラマって全部失恋話ばっかりだし・・・」


遙「別にいいじゃない・・・今度書く小説で参考にするんだから。
  失恋話の浄化作用は一度ハマるとたまらないんだよ・・・。
  それに楽しい話も好きだよ?フレンズとか」


茜「後いっつも中島みゆきとか岡本真夜とか、悲しい曲ばっかり聴いてるね。
  最近の曲も聴きなよ・・・」


遙「別にいいじゃない・・・最近の曲は抽象的なラブソングばかりで
  興味がわかないのよ」


茜「んも〜、辛気臭いなぁ、小説書くのもいいけどさ、たまには外に出て、
  いい男でも捜しなよ!そっちのほうが小説書くネタになるよ、絶対!」


遙「別にいいじゃない・・・」(うるさいなあ、茜、早く寝ないかなァ・・・)


私は、絵本作家として、3年前にデビューした。長年の夢だった絵本作家、その絵本に、
それまでの、私の人生を叩きつけた。私的には、夢がかなってとても幸せな気持ち
だったけれど、やっぱり気持ちがこもりすぎちゃって、説明不足だったかな。
読んでくれた人に私の思いが伝わったかはわからない・・・。
全てを出し切った私は、その後の私の人生をどうしたらいいのか、
途方にくれてしまった。今まで2冊の絵本を出したけど、2冊目は自分でも
イマイチだと思ったし・・・。


そんなときに私は小説に興味を持った。あの頃は絵本作家になりたかったけど、
今の私の興味は小説に向いていた。
小説のほうが、私の人生をもっと、より激しく表現出来ると思ったからだ・・・!


そのために、私は、一世一代の大失恋小説を書くために、
こうして日々失恋ドラマを見て思いを募らせているのだ・・・!!!


茜「別にいいけどさぁ、書こうとしてるその小説って、ちゃんと完結するの?」


遙「う、うるさいなぁ、茜には関係ないでしょ?」


茜「それよりいい加減自分の人生歩んだら?
  小説もいいけどさ、同じとこグルグル回るだけだよ?」


遙「茜寝るんじゃなかったの?説教はいいから早く寝なさい。明日仕事なんでしょ?」


茜「そんな小説なんて、きっとあの人にいっぺん会ったらきっと書く
  意味無くなっちゃうよ?  連絡ならいくらでも取れるんだし、
  会ってケンカの一つでもしちゃいなよ」


遙「・・・・茜。」


茜「お〜こわ。お姉ちゃん昔から頑固一徹だったからねぇ。」


遙「〜〜〜・・・」


茜「あ っ ち ゃ い な よ」


遙(イヤだよっ!怖いもの!)「はいはい、早く寝なさい」


茜「まあいいけど〜。お姉ちゃんずっと起きてるなら
  コンビニいくでしょ。ヨーグルトも買っといてよ。」


遙「うん、いいよ。お休み」


茜「夜食食べ過ぎて太らないでね〜。」



茜が自分の部屋に帰ってから、私はドラマを見てひとしきり泣いた。
涙でボロボロになった顔を整え、明け方にコンビニに行こうとドアを開けた。


雨はさらに激しく横殴りになり、雷の激しい稲妻があたりに大音響を轟かせていた。



遙「んもおおおぉぉーっ!なんでよおおおぉぉぉーっ!!!」



終(遙ファンの人、ごめんなさい・・・一応ハッピーエンドのつもり・・・)