窓際のエヴァンゲリオン1−1


夏の始まりのある日、碇シンジは箱根の山麓にある、
第三新東京市に引っ越して来た。
今日から始まる新しい生活、友達は出来るだろうか、
引っ込み思案な僕を受け入れてくれるだろうか。


碇シンジです、今日からよろしくお願いします。
わからないことだらけですが教えてください。」


無難に挨拶をした。恥ずかしくてみんなの顔は
見えなかったけど、顔を上げたとき、1番後ろの窓際の席で男子が
隣の席の女子に耳打ちするのが見えた。
女子はクスクスと笑っていた。


僕がとりあえずついた席は1番壁際の真ん中あたり。
横はそばかすの真面目そうな女子だった。


「洞木です、よろしく碇君。」
「よ、よろしく」


お互い形式的な挨拶だった。でも僕は緊張してしまった。


「おい、どこから来たんだよ、昼食一緒に食べようぜ」


後からメガネをかけた男子が声をかけてきた。
僕は自分の周りの席の人が、優しそうな(そしておとなしそうな)人で
ホッとしてた。


でも僕の頭では、後ろの席の二人のことが気になっていた。